Scott Chadwick
2nd Album
CD Info
1.Blue Railroad Train
Scott- Guitar, Mandolin and vocals Yoshihiro- Low Tuned Nechville Banjo Chris- Upright Bass
この素晴らしいデルモア・ブラザーズの曲は、僕がブルーグラスを聴き始めて以来のお気に入りです。もちろんトニー・ライスの伝説的なアルバム『マンザニータ』のバージョンは永遠に耳に残っています。昔からの友人であるジョール・メイバスが『コロンバス・スタッケード・ブルーズ』を演奏していた感じを思い浮かべながら、ブルージーなサウンドを目指しました。
2. Everything Happens To Me
Scott- Guitar and vocals Yoshihiro- Baldwin Ode Style D Banjo, Mandolin Chris- Upright Bass
ブルーグラス音楽は悲しい内容をも明るく幸せに聴こえさせると、僕の母はよく言っていたものですが、この悲しいジャズ・スタンダードにも同じことが言えます。クリスさんのベースは絶妙な塩梅でスインギーにバウンスして、有田さんも全体を通して美しい伴奏をしています。気の滅入るような暗い歌詞ですが、このバージョンは毎回聴くたびに僕を笑顔にしてくれます。
3. One Day I Walk
Scott- Mandolin and Vocals Yoshihiro- Henderson OM-42 Guitar Chris- Upright Bass
友人のTJが僕にブルース・コバーンを紹介してくれて以来、彼の音楽と演奏に心を奪われて来ました(TJに感謝します!)。僕はフィンガー・スタイル・ギターはあまり得意ではないので、もっぱら聴くだけだったのですが、ある日マンドリンでイントロを弾いてみたところ、「これならいける!」と思いました。最初にこの曲を聴いたのは、ニューグラス・リバイバルのバージョンだったと思います。有田さんのウェイン・ヘンダーソンOM-42はこの曲で輝きを放っています!
4. I Wish You Knew
Scott- Guitar, Mandolin and Vocals Yoshihiro- Nechville Vintage Banjo Chris- Upright Bass
僕は80年代にエルダリー・インストウルメンツで働いていた頃から、ルービン・ブラザーズの大ファンです。この曲では有田さんがバンジョーの腕前を惜しみなく披露してくれて、演奏するのがとても楽しかったです!
5. Last In Love
Scott- Guitar and Vocals Yoshihiro- Lead Guitar (Henderson OM-42) Chris- Upright Bass
昔からのお気に入りであるJ.D.サウザーの素晴らしい曲です。有田さんの美しいギターが泣かせます。そして、アルバム全曲に言える事ですが、クリスさんのベースはこの曲では特に完璧!ちなみに僕のリズムギターパートにはカイザー製のカット・カポを使用しました。
6. Paradise
Scott- Guitar, Mandolin and Vocals Yoshihiro- Dobro and Vocals Chris- Upright Bass
素晴らしいシンガー・ソングライターであり、伝説的ストーリー・テラーであったジョン・プライン。惜しくも彼は2020年に亡くなりましたが、豊かな音楽を沢山残してくれました。これはその中で僕が最初に覚えた歌だと思います。1971年に書かれた曲ですが、地球に住む僕たちが自然と調和して生きる、という事をより真剣に考えなければならない現在でもタイムリーに感じられます。
7. East Meadow
Scott- Mandolin Yoshihiro-McPherson MG-4.0 XPW Guitar Chris- Tune Six-String Bass
僕の友人であり素晴らしいピアニスト/作曲家のジョナサン・カッツが、彼の故郷を想って作った曲です。とても懐かしく感じるそのメロディは、僕自身の故郷についての様にも聴こえ、胸に刺さりました。ジョナサンさんのソロピアノを初めて聴いた時から、この曲をマンドリンで演奏してみたいと思っていました。ここでもクリスさんのベース演奏は完璧です。メタル・ピックを使った有田さんのスリー・フィンガーギター演奏も美しいフィーリングを作り出しています。彼のマクファーソン・ギターの音もまた素晴らしいですね!
8. Peabody's Coltrane
Scott- Guitar Melody and Mandolin Yoshihiro-Baldwin Ode Style D Banjo and Gibson L-5 Guitar Chris- Tune Six-String Bass
有田さんが昔バークリー音大にいた時に、バンジョーでジョン・コルトレーンの『ジャイアント・ステップス』を演奏した、と聞いた事がありました。僕はその曲をフィドル・チューンにする事を思い付いて、こんな曲になりました。クリスさんのベースは最初ぐっと抑えていて、ここ!という瞬間から皆で一気にスイング! 有田さんは1930年製Gibson L-5でリズムを刻み、そのうえ、伝説にもなりそうな素晴らしいバンジョー・ソロも弾いてくれました。曲名はクリスさんのアイデアによるものです!
9. Last Train To Clarksville
Scott- Guitar, Mandolin and Vocals Yoshihiro- Low Tuned Nechville Vintage Banjo Chris- Tune Six String Bass
子供の頃、僕は「ザ・モンキーズ」が大好きで、これは彼らのナンバーからのお気に入りの1曲です。バンジョーによるオープニング・リフをイメージしてアレンジを考えていましたが、有田さんの「チューニングを下げる」というアイディアで、更に格好良く仕上がりました。このアルバムは2021年8月に録音したものですが、気づいたら、収録曲の中に反戦的なものが2曲あり、これはその1曲です。残念ながら、2022年、この世界情勢の中でのリリースは、タイムリーなものとなってしまいました。
10. Monk's Mood
Scott- Mandolin Yoshihiro Martin D-18 Guitar Chris- Tune Six-String Bass
ある日、セロニアス・モンクの演奏のトランスクリプション(採譜)を見ていて、マンドリンで試しに弾いてみたら、不思議としっくりきたのです。この曲を練習している時、僕の妻は「その音で合っているの?」と尋ねてくるほど不協和音に聴こえたようです(笑)。幸いなことに、数回聴いた後には彼女も口ずさめるようになりました!
11. Last Letter Home
Scott- Guitar, Mandolin and Vocals Yoshihiro- Saga Open Back Banjo. Chris- Music Man Sabre Bass
もとは「The Amazing Rhythm Aces」による曲。もう1つの反戦曲であり、このアルバムのために録音した最後の曲です。僕はこの曲をずっと演りたいと思ってきましたが、サム・ブッシュの最近のアルバム『Late As Usual』にも入っていたので一旦は断念しました。しかし、そのアルバムをもう一度よく見てみたら、最近ではなくて40年近くも前に作られていたことがわかり、それなら…と思い直しました!僕はどちらのバージョンも大好きなのですが、これをハイブリッド・バージョンと思って頂いても良いかと思います。この曲にはクロウハンマー・スタイルのバンジョーがマッチすると思ってお願いしてみたところ、有田さんにとってはレアなクロウハンマーのレコーディングとなりました。
この歌詞はアメリカ南北戦争における話です。でも、指導者たちによって戦場に送り出された若者達が、その意味も目的もわからないまま戦って犠牲となってしまう、というのは、今も昔も変わらない気がします…。
Scott Chadwick- Guitar, Mandolin, Vocals
Yoshihiro Arita 有田純弘- Banjos, Guitars, Mandolins, Dobro, Vocals, Kitchen Sink
Chris Silverstein- Upright and Electric Basses
Yuki Mizutani 水谷勇紀- Recording, Mixing and Mastering
Design and Art Direction by Yasutoshi Okkotsu
Recorded at Submarine Studio in Shibuya, Japan August~December 2021
©︎Off The Records OTR 0002